第3回 全国鳥類繁殖分布状況調査

アカハラ
調査で観察例が少ない鳥アカハラ 皆さんの観察記録をお寄せください

日本野鳥の会新潟県は、2015年~2019年にかけて県内65カ所(佐渡12カ所)で鳥類の繁殖分布調査を実施しました。本調査は、緑の国勢調査と呼ばれる日本全国の自然(鳥類・植物・哺乳類など)を10~20年に一度調査しているものです。

本会は協力団体として、会員のみなさんに協力していただき第3回鳥類繁殖分布調査を行いました。本調査では、日本で繁殖する留鳥・夏鳥を主な対象として多くの調査が山地・森林部で実施されました。第1回(1974~1978)、第2回(1997~2000)と比較して、増加している鳥、減少している鳥などが分かってきています。

反面、平野部や湿原の鳥、夜の鳥についての情報が少なく、会員のみなさんの観察データから、調査結果を補足していただけるようお願いします。

アンケート調査にご協力お願いします

下記の表にあるように平野部・草地・湿地に分布する鳥類、夜行性の鳥の調査データが不足しています。カイツブリ、バン、クイナ、カワセミ、モズ、ヒバリ、アカハラ、フクロウ類などの観察情報をお寄せください。

全国鳥類繁殖分布状況調査マップ一覧(PDF)

マップ見本

タカの渡り調査

探鳥会の様子

山本山のタカ類・ハヤブサ類の渡り 

新潟県のタカの渡りは、1980年後半に各地で観察例が増え、1993年に十数カ所で調査が行われるようになりました。

以来、山本山では9月に定例探鳥会を実施しています。タカ・ハヤブサ類の渡り調査は、例年9月~11月に定期的に継続されています。

タカ柱の映像を下記にて公開しています

また、タカの渡る様子についてはこちらのブログで紹介していますので、併せてご覧ください。
山本山高原・タカの渡り(更新日 : 2021年10月6日)

過去の調査結果(一部)

山本山のタカの渡り調査2022(PDF)
山本山のタカの渡り調査2021(PDF)
山本山のタカの渡り調査2020(PDF)

ハクチョウ調査

新潟県は全国でも有数のハクチョウ類・ガン類・カモ類の越冬地です

新潟県には、例年14,000~20,000羽(全国1位)のコハクチョウが越冬しています。特に11月は、石川県や島根県などへ南下する家族群も含めピーク時には40,000羽を越えることもあります。

新潟県で越冬するコハクチョウ 日中は家族群で水田に移動し、落ち穂を探して食べる

日本野鳥の会新潟県では、新潟県水鳥湖沼ネットワークと共同で鳥屋野潟・福島潟・瓢湖・佐潟・阿賀野川の5カ所でハクチョウの生息数の調査をしています。

10月〜3月の毎週金曜日早朝にハクチョウ類のカウント調査を行っています(2000年より)

ハクチョウ類の個体数の変化

中部ブロック鳥類調査

鳥類は、国境や県境を越え移動して生息しています。日本野鳥の会新潟県では、生息分布の拡大しつつある鳥、全国的に減少している鳥を対象に中部ブロック(中部地方10県21支部)で共同調査を行っています。

イソヒヨドリ生息調査

イソヒヨドリ 海岸から100㎞遡った内陸部でも観察され、生息分布の拡大が注目されている。撮影 桑原哲哉(魚野川)

海岸部で見られることが多いイソヒヨドリですが、近年は内陸部への進出が全国的に知られるようになりました。イソヒヨドリの生息分布調査は、2017年からの過去の観察記録と調査が行われ、中部地方全体で1,500例の観察データが集計されました。海に面した福井や石川はもちろん、内陸の山梨、岐阜などで繁殖例があります。

新潟県では37箇所の観察例がありました。海の近くや都市近郊などでイソヒヨドリの観察記録のある方は、事務局まで是非お知らせください。会員のみなさんのご協力をお願いします。

コアジサシ生息調査

世界的にも全国的にも個体数が減少しているコアジサシ。繁殖地は中部ブロック全体で10~20箇所程です。繁殖阻害要因として、複数の自然要因と人為的要因が報告されています。

カンムリカイツブリ生息調査

以前は冬季に渡来したカンムリカイツブリ 新潟県では独特の求愛行動が観察できます。撮影 岡田成弘(鳥屋野潟)

以前は冬にしか見ることができなかったカンムリカイツブリ。青森から琵琶湖まで日本海側を中心に多くの繁殖例が記録されています。

新潟県では鳥屋野潟、福島潟、佐潟、瓢湖、朝日池など9カ所で繁殖が確認されています。

ミヤコドリ生息分布調査

沖縄や九州諫早湾などで大きな群れが見られるミヤコドリ。太平洋側の観察例を中心に記録を集計しています。 新潟県でも少数が飛来し、通過し観察されています。